キャリーに入れる理由と慣らし方
みなさんこんにちは!みたかマロン動物病院の愛玩動物看護師、ジェームスです🐶
今回は、ネコちゃんをキャリーに入れて来院することの大切さについてお話しします。
実は私自身、これまで猫と暮らした経験はないのですが、
動物看護師として日々たくさんの猫ちゃんと関わる中で感じていることを、
少しでも分かりやすくお伝えできたらと思っています🌝
動物病院で働いていると、まれにキャリーに入れず、そのまま抱っこで来院されるケースを見かけることがあります。もちろん「うちの子は大丈夫」と思っている方も多いと思うのですが、実はそれには思わぬリスクが隠れています。改めて、なぜキャリーに入れて来院することが大切なのか、分かりやすくまとめていきたいと思います🐱
①そもそもなんでキャリーに入れる必要がある?
その理由はとてもシンプルで、安全を守るためです。
猫ちゃんは環境の変化にとても敏感な動物です。私たちにとってはささいなことでもストレスを感じやすい生き物です。おうちの外に出るだけでも、知らない音や匂い、人の気配に驚いてしまうことがあります。
抱っこで来院された場合、びっくりした拍子に急に暴れてしまい、腕から飛び出してしまうことも少なくありません。そのまま逃げてしまったり、落下してケガをしてしまうリスクもあります。
また、待合室には他のわんちゃんや猫ちゃんもいます。予想外の動きに反応してパニックになってしまうこともあり、猫ちゃん自身だけでなく、飼い主さんがケガをしてしまう可能性もあります。
その点、キャリーに入っていれば外に飛び出す心配がなく、周囲からの刺激もある程度遮ることができます。キャリーは単なる「移動手段」ではなく、猫ちゃんにとっての安心できる小さな空間にもなります。
②キャリーを「安全」で「安心できる」スペースに
もちろん最初からすべてのネコちゃんがキャリーに慣れているわけではありません。
キャリーを安心できるスペースと認識してもらうには、少しずつ慣れてもらうことが大切です。
まずは、キャリーを「特別なもの」にしないことがポイントです。
普段からお部屋に出しておき、いつでも出入りできる状態にしておきましょう。
隠れられる落ち着く場所として使ってくれるようになると理想的です。
中には、お気に入りのタオルやブランケット、飼い主さんの匂いがついたものを入れてあげるのもおすすめです。安心できる匂いがあることで、警戒心がやわらぎやすくなります。
また、おやつやごはんをキャリーの中であげるのも効果的です。
「キャリーに入るといいことがある」と覚えてもらうことで、自然と抵抗感が少なくなっていきます。
大切なのは、無理に押し込まないことです。
ネコちゃんはとても頭のいい生き物なので、一度嫌だ!!と思ってしまったら濃い記憶として残ってしまいます💦
少し時間はかかるかもしれませんが、日常の中でゆっくり慣らしていくことで、キャリーはネコちゃんにとって安心できる居場所へと変わっていきます。
通院のときだけでなく、災害時や移動の際にも役立つ大切なアイテムです。
③おすすめのキャリーとキャリーに慣らす方法
動物病院で働いていると、いろいろな種類のキャリーケースを見かけます👀
機能性に特化したものや、デザイン性が高くかわいらしいものなど、
最近では本当にさまざまなタイプがあり、選択肢がとても豊富になっていると感じます。
その中で、「どれを選べばいいのか分からない」という飼い主さんも多いのではないでしょうか。
今回は実際に日々の診療の中で感じていることをもとに、いくつかのキャリーをピックアップしながら、
おすすめしにくい理由や、逆におすすめしたいポイントについてお伝えできればと思います🐱
首輪付きハーネス
ネコちゃん、散歩させてみたいですよね🥺
でも実は、猫にとってハーネスは安全な移動手段とは言えません💦すでにハーネスに慣れている子であればまだしも、ネコちゃんは体に何かがついていること自体がストレスになり、パニックをおこすことがあります。
また、外では予想できない音や出来事が多く、びっくりしてしまうことも少なくありません。
その拍子にスルッとハーネスから抜け出してしまい、逃げてしまうケースもあります。
猫は「液体」と言われるほど体がしなやかで、すき間をすり抜けるのがとても得意です。
一度逃げてしまうと捕まえるのは本当に難しく、思わぬ事故につながる可能性もあります。
ネコちゃんのハーネスは危険です🐱
じゃあ何がおすすめなんだろう?と思いますよね。
プラスチック製の硬くて丈夫な素材で作られたハードキャリーをおすすめしています。
しっかりとした作りで安定感があり、猫ちゃんが中で動いても形が崩れにくく、安心して移動することができます。ただ、「キャリーに入るのが苦手で…」というネコちゃんも多いと思います🥺
そのため次は、このようなハードタイプのキャリーに無理なく慣れてもらうための方法についてもあわせてご紹介していきます🐱
ハードタイプの猫キャリー
ハードタイプの特徴としては、しっかりとした作りで安全性が高いことです。外からの衝撃にも強く、万が一落としてしまった場合でも中の猫ちゃんを守りやすい構造になっています。
また、扉がしっかりロックできるため、びっくりして暴れてしまったときでも飛び出しにくいのも大きなポイントです。さらに、ハードタイプは上下に分解できるものが多く、診察時にキャリーを分解することで、無理に引き出さずに猫ちゃんを診ることができます。このタイプが断然おすすめです。これにより、猫ちゃんのストレスを減らしながら安全に診察が行えます。特に、病院嫌いなシャイな猫ちゃんはこのキャリーにしていただけると診察がスムーズにすすみます。
お手入れがしやすいのもメリットのひとつです。
汚れてしまっても水洗いができ、底にペットシーツやタオルを敷けたり清潔な状態を保ちやすい構造になっています。
④キャリーに慣れてもらう方法
ペットのトレーニングと聞くと、ワンちゃんを思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。
猫ちゃんにトレーニングというイメージは、あまりないかもしれませんよね。でも実は、ネコちゃんはとても賢い動物です。きちんと時間をかけて教えてあげることで、
「キャリーに入っても大丈夫」
「キャリーに入ることはいいこと」
と、少しずつ学んでいくことができます。
ワンちゃんと比べると、慣れるまでに少し時間はかかるかもしれませんが、今後もしもの災害時や、動物病院への通院、お泊りなどで一緒に移動する機会が出てくることもあると思います。
そういった場面でキャリーに慣れていることは、ネコちゃんにとっても飼い主さんにとっても、とても大きな安心につながります。
ネコちゃんのキャリートレーニングは、ざっくりと下のイラストのような流れで行っていきます🐱
⑤動物病院でできること
トレーニングは焦る必要はありません。ゆっくり少しずつ、苦手を克服していくようなイメージで、
「これは大丈夫なものなんだ」と認識してもらうには時間をかけることが大切です。
また、一部のネコちゃんでは、トレーニングをしてもどうしても病院に行くことが嫌な子やパニックをおこしてしまう子がいます。同じネコちゃんでも性格がそれぞれ違うように、ストレスへの感じ方にも個体差があります。こういった場合は、来院前にお薬を飲むという方法もあります。
この薬は、少しぼーっとなることで不安をやわらげ、移動中や診察中の落ち着きをサポートするためのものです。
病院が嫌すぎてどうしても暴れてしまう子がいます。そんな子を無理矢理おさえつけて検査や治療を行うと、もっと嫌いになってしまいます。また、暴れてしまうと検査に時間がかかったり、正しい結果が出ない場合もあります。この方法はネコにも病院にもメリットがあります。
連れて行きたいけど暴れてしまって診察が難しい…💦とお悩みの方にとって、選択肢のひとつになります。
お薬に抵抗を感じる方もいらっしゃると思いますが、事前に試してみて、どのくらい効果があるのか、副作用がないかなどを確認することも可能です。
もし気になる方がいらっしゃいましたら、獣医師にご相談ください😊
薬の種類や量を調節するなど無理のない方法で、その子に合った対策を一緒に見つけていきましょう🐱
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